インディラガンジー空港 アライバルビザで 3時間足止め
ニューデリー駅~オールドデリー駅 鬼門を開いて 3時間迷走
オールドデリー駅 アジメール行きの列車 10時間遅れ ←new!!
手荷物検査場のおじさんは「フォグでディレイ」と言ったきり、また自分の仕事に集中し始めた。
ニューデリー駅で出会った手荷物検査場のおじさんとは違って、騙そうとかというのは感じなかった。
けど、10時間遅れというのは信じられなかった。
ディレイ=遅れ はわかったけど、フォグ=霧で10時間とは一体、、映画ミストくらいの濃霧なの?
とりあえず建物の中に入って調べることにする。
建物はかなりこじんまりしていたが、列車を待つ人でいっぱいでかなり狭苦しかった。
インド人寝て待つし。
ひとつしかない窓口には、人が殺到していた。
少し様子を見る。
誰も何も解決しないまま窓口は混んでいる。
少し割り込んでみた。
遠巻きに様子を見てた時は、人ごみで見えなかった駅員が、人波を掻き分け窓口に近づくにつれ見えてきた。
透明なプラスチック壁を隔てた先にいた駅員は、空港のアライバルビザカウンターにいた係員並みに仕事が遅そうな雰囲気を醸し出していた。
いちいち優雅なのである。
これは駄目だ。
地球の歩き方先生が、インドの駅には大抵一台、ブッキングチェック機があるとおっしゃってたのでそれを捜してみた。
その機械は、コンビニにある店頭端末みたいな大きさで、自分の取ったチケットの予約番号で乗る列車情報等を照会できる画期的な機械。
人ごみに紛れて見当たらなかったが窓口のすぐ横に一台置いてあった。
こっちは人一人が機械の前にいるだけだったので、チョロいぞ!と思いさっそく機械の前に近付く。
画面に向かっていた人が譲ってくれたので、夫と仲良く覗き込んでタッチパネル操作してみた。
が、全く息をしていなかった。
うん、壊れてるねっ☆
辺りを見回しても、駅員さんらしき人はあの窓口の優雅野郎しかいない。
オールドデリー駅がこんな小さな建物(というか小屋)な訳はないと思ったので、夫と建物の外に出て、辺りを見回す事にした。
すると、なんという事でしょう。
さきほどこの建物に入る時はこの建物にしか目がいかなかったのに、外に出て右斜め前を見ると、明かりに煌々と照らされたビッグステイションが見えるではありませんか!
光に吸い寄せられたようにふぁーっと明るい場所へ向かった。
さっきの建物が新宿駅西口(出口専用)だとしたら、こっちは中央東口。
オールドデリー駅でかい。
とりあえず駅員さんを探す。
ホームを歩いていると、トイレを見つけた夫が用を足したいと言い出したので少し待つ事に。
ちなみに私はインドに着いてからトイレに行ってない。
不浄の手デビューする心の準備もできていない!
今の所トイレに行きたいわけでもないので、できるだけ水分は取らない事に決めた。
そしてトイレの事自体も考えないようにした。
時間は0時を回った頃だったと思う。
駅は夜行列車を待つインド人でごった返していた。
何本かあるホームにもインド人が寝ている。
私たちは陸橋からその光景を眺めつつ、とりあえず橋の突き当たり、一番光を放っているホームに向かった。
なんだか駅員が居そうな雰囲気!
その瞬間、
ジャジャーーン!
という音が鳴った。
なんだなんだ??
二人とも一瞬止まったけど、言葉も交わさずまた歩き始めた。
陸橋からホームに降りてふらふらしてると、駅員のいそうな部屋を発見した。
二人で中に入る。
長机とパイプ椅子に座った駅員さん発見ー。
さっきのガラス越しの優雅野郎と違って、なんだか話しかけやすそうな駅員だった。
ここには人も殺到していなかったので、2、3人の後ろに並んでると、きちんと私たちの順番がやってきた。
夫が駅員に聞くと丁寧に教えてくれた。
フォグで6時間、ディレイ!
フォグでディレイ、6時間。
おどろかねぇ笑
ぜんぜんおどろかねぇよ。
駅員は別の意味の優雅だった。紳士だった。
彼女はそこに座りなさい。
と、近くのイスを指し示してくれた。
イスは非常に冷たかった。
お腹をすぐ壊す私は内心戦慄した。
でも、久し振りに座った気がして、一度座ると立てなかった。
3時間後、また新しい情報が入ってきて、列車の到着時間が変わるかもしれないから、またここに来るか、すぐ外にある電光掲示板を見てみなさい。と優雅紳士は教えてくれた。
ぼけーっとしている私を見た夫が、どこかゆっくり座れるところを探してくる、と出掛けた。
私は素直に甘えて、縁側で日向ぼっこをしていそうな老人の心境でぼけーーーっとさせて頂いた。
夫が素敵な場所を見つけてくれた。
ステーションマネージャーがいるらしき部屋へ通じる通路のような個室にある木製ベンチだ。
そこは4畳くらいの空間で、奥にはもうひとつ部屋があり、そこがステーションマネージャーの部屋になっているようだった。
そして今は中には誰もいなさそうだった。
外では人がたくさん屯してたり、寝転んでるんだけど、ここは誰も入ってこない。
なにより寒さを凌げる。(デリーは北インドに位置しているからか、寒い)
ベンチの大きさは人一人が少し足を曲げて横になれる程度に広かった。
夫がひざまくらしてくれたので横になった。
今回、バックパックに余裕があったため、とりあえず入れといたNASA考案の軽い素材なのに暖かいブランケット!(ドン・キホーテにて購入)が大活躍した。
ブランケットで体を包んでもらいぬくぬく(仮眠)した。
30分~1時間後には交代して夫が寝転んで私がひざまくらをした。
何回か交代したけど、きっとトータルでは私の方が横になってぬくぬく(仮眠)させてもらった時間が長かったと思う。
一度、(多分)ステーションマネージャーが入ってきて、私たちを一瞥し、「いや、そのままでいいんだよ。ごゆっくり」と言って奥の部屋に入っていった。
お言葉に甘えてそのままぬくぬくした。
ふと、目を開けると、通路部分に人が列をなして並んでいた。結構至近距離で眺められていたようだ。
ステーションマネージャーに何か申請しているのかな。と、ふと思ったけど、気にせずそのままぬくぬくした。
アジメール行きの列車が今もなお、濃霧プロブレムに直面している一方、私は別の問題に向き合っていたのである。
ト イ レ 行 き た い (小の方)
一度は無視してぬくぬくした。
二度目は「夜寝てる時とか、起きるの面倒だから、朝まで我慢しよーってまた寝るじゃん」とぬくぬくした。
三度目は「あ、むり笑」と起きた。
3時間経過してるだろう、という事でひとまず起きて、電光掲示板を見に行った。
4時間ディレイ(AM4:25発がAM8:25に)に変更になってた!
現時刻はAM3時。
夫にトイレに行きたい旨を話すと、夫も行きたかったようなので、荷物を背負ってステーションマネージャー室を離れ、トイレを探すことにした。
今いるホームは一番明るいし大きいから、トイレもマシかもしれない。
またふぁぁーと歩いているとトイレを発見した。男女分かれている。
先に夫がトイレへ。
私は荷物番。
すぐに、夫が出てきた。
今度は夫に荷物を託してトイレに行った。
そのトイレは入り口が一箇所で入ってすぐに左右に男女分かれていた。
日本の公園などにもあるタイプの公衆トイレ。
男子トイレは煌々と明かりが点っているが、女子トイレは打って変わって真っ暗だった。
男子トイレから漏れる明かりを頼りに女子トイレの方の壁についてるスイッチを発見!!カチカチさせる。
まったく反応がない。
「まじか。」
とカチカチさせながら言ってたら、突然、ぬっ・・・と、真っ暗闇から女性が一人出てきた。
ビクゥッッ!ってなった。
だって、本当に真っ暗闇から出てくるんですもの!
思わずガン見してしまった。
男子トイレの明かりに照らされた女性は何故か左足を床にすりすりと擦りながら出て行った。
落ち着いて、もう一度女子トイレの方を見てみた。
真っ暗だ。
でも女性が入ったってことはなんとか奥まで(トイレのある場所)行けば月明かりとかで見えるかも。と思いずんずんと奥まで入ってみた。
うふふっ☆ まーっくら!!
夫の元へ戻った。
*今回はトイレ内の詳しい情報を記した旅行記になっているので、ご注意ください。
夫にトイレ真っ暗闇事情を話すと、屋外フリーダムトイレポイントを探そう。と提案してくれた。
ホームの脇はそのまま駅の外に行けるかのような広い草むら地帯があって、適度に大きめのコンクリート片も転がっており、外灯もなく、ホームからは死角になっている絶好の「トイレ可能ポイント」が結構あった。
が、近寄ってみると5,6人が屯していた。
次のポイントに近寄る。夫に見張りをしてもらいつつ草むらに入る。
が、やっぱり近寄ってみると5,6人が屯していた。
大好きなゲーム、アサシンクリードならその5、6人の中に入って気配を消すことができるなー☆と思った。
諦めてステーションマネージャー室に戻る。
私たちの特等席は誰にもとられていなかった。
荷物を置き、ベンチに腰掛けた瞬間、ライトを持っていたことを思い出した。
トイレの真っ暗闇が衝撃だったのか、さっきまで使っていたことも忘れていた。
夫にはステーションマネージャー室にいてもらい、ライトを片手にトイレへ向かう。
トイレのある場所はホームからも入り口が見えており、トイレ前も広場になっているため、インド人がたくさん寝転んでいた。
だけど女子トイレの真っ暗っぷりには危険なにほいがプンプン。
膀胱さんに相談してみるも、もう限界だったようなので、意を決してトイレに入る。
以下、119番通報があり、現場(廃墟)に赴いた若手刑事のつもりで歩く私を想像しつつお読みください。
女子トイレに入ると、すぐに男子トイレの明かりも届かない漆黒の闇に包まれた。
ライトを点灯させる。
*ライトの持ち方はもちろんこう
ゲームではよくやってるのに、現実では建物の中が真っ暗で、ライトに頼らないと歩けないことなんて初めてだなぁと思った。
と、しみじみ考えていると、女子トイレ入って2mくらい進んだ時点で、ライトの明かりが床に落ちている物体を照らした。
う○こだった。
おぉ。でかい!笑
先ほどトイレに来た時、暗闇から出てきた女性が、左足を床にすりすりしていた理由がわかった。
・・・・う○こ踏んだんだ。
ライトは良い仕事をした。
次から次へう○こを照らす。
![](http://2357-n.com/wp-content/uploads/2021/11/28F3C9E9-B532-4962-A9C2-2DEEA70CFA80.jpeg)
トイレの見取り図
○は便器。
お星様は、う○こでございます。
もちろんう○この正確な位置は覚えていない。
でも、そんなに間違ってもいないと思う。
こんなに暗くては個室に入れたとしても、便器にうまく産み落とすこともできなかったであろう、みんなの無念の塊が便器周辺に落ちていた。
私は無心になってう○こを避けつつ、個室を照らしては、「クリアー」と言いながら奥に進んでいく。
(この場合、クリアーは「無理」の意)
奥に行くにつれ、う○この数も減った。
暗闇すぎて奥にいけなかったんだと思う。
(OPPさんはいなかった)
一番奥の個室を照らす。
そこはう○こ不可侵の聖域だった。
個室のドアを閉めるのも怖いし、ドア開けっ放しもなぁ・・・、と思いつつドアを空けたり閉めたりすること数秒。
ドアが閉まらないことに気づく。
全開状態が基本形態かのように開くドア。
ドアを手で抑えつつ用を足せばいいのか?と思い、予行演習してみるも、便器の位置からはドアに手が届かない。
・・・・・このドアはなんのためについているのです!?
諦めた私はドアを全開にし、用を足すことにした。
真っ暗闇なので、ドアもへったくれもないんだけど。
かもしれない運転が大好きな私は、いきなり暴漢が襲ってくるかもしれない不測の事態も考慮し、ライトをしっかりと握り、外へ向かってライトを照らしつつ、ついに用を足すことに成功した。
無の境地とはこういう心境の状態なのではないかと悟った。
坐禅なしでたどり着けた。
用足しは1分以上に及んだ。
これくらい照らせればう○こ踏まない絶対!!