列車は順調に走り、終着駅のコーダ駅へ着々と向かっている。
外は真っ暗、駅も外灯があまりないため何駅に着いたのか、何駅に向かっているかさっぱりわからーん☆
絶対に乗り過ごしたくないので、停車するたびにみんなに「チットールガル??」と聞く私w
3回目くらいで窓際に座るインド人が「大丈夫!着いたら教えるよ」と言ってくれ、他の窓際族も『よぉし!しっかり確認するぞー』という雰囲気を出しながら窓の外を見る姿勢になってくれたので、ありがたくお願いすることにした。
アジメールからチットールガルまでの電車時間はとても短く本当にあっという間に感じたけど、実際は3時間近く乗っていた。
半ケツ椅子の青年と、ビンディを貼ってくれた女性と記念写真を撮ったところで、窓際族たちがみんな「この次だよ!」と教えてくれたのでいそいそと準備を始める。
ついに列車はチットールガル駅に到着したらしい。出口までの通路をみんながぎゅぎゅいと移動し、しっかり空けてくれて、無事駅に降り立つことができた。
窓際族を信用していない訳ではなかったが、駅名を確認、ちゃんとchittaurgarhになってる。
列車を見送った後、落ち着いて辺りを見回す。真っ暗なのではっきりとはわからないが、駅の端も見えないくらい大きい?田舎だからだだっ広い感じなのかな。
この暗闇&静けさ、ど田舎すぎて人の気配がないので身の危険は感じない(インドに着いてから色々な経験をした結果、研ぎ澄まされた神経笑)
駅を出てすぐの通りに「ホテルです!!」と、わかりやすい感じの建物があったので、とりあえず夫が入って宿泊費を聞いてみる。
こういった交渉ごとは世界一周経験者の夫に任せておけば間違いない。
私は入り口のガラスドアのところに立ち、いつでも去れるように中には入らなかった。
2分もしないうちに夫は出てきた。
「高い。ちょっと他のホテルも見てみるって言ったよ」
と出てきたのでどっちに向かおうか〜と、ホテルに背を向けると、受付の青年が出てきて
「もう0時近いよ?」と。
夫「うん、そうだね。だけどすぐそこにもホテルあるみたいだし聞きに行ってくるよ」
受付の青年「もう遅いし、危ないよ。安くするから中に入ってよ」
2人で顔を見合わせてどうする〜??とやりつつ、チラッと青年を見る、精悍な顔つき、、とかではなく、こんな深夜に歩き回ろうとしている旅行者に素直に戸惑っている笑!
とっても人の良さそうな表情ではありませんか!!
本当に安くしてくれるのかはわからないけど、チットールガルの宿泊費の相場もわからないので・・・・ま、いっか!!
ここに決めた!!!
通された部屋はスペインのユースホステルのような小綺麗な部屋(わかりにくい上に突然のスペイン旅行者匂わせw)でシングルベッドが2つ、広さは十分あり、壁掛けのテレビも備え付けてあった。
とりあえずテレビをつけてみると、クリケットの試合を流しているチャンネルがあったので、なんとなく流してみる。
夫は「クリケットはインドの国民的スポーツだよね」と言いながらベッドにゴロンとした後、3分以内に寝始めた。
ここに辿り着くまでに、本当にいろんなことがあったもんな〜と夫の寝顔を見てしみじみとした気持ちになった。
インドに来る前に北京空港1泊してるし、昨夜はオールドデリー駅1泊、久々のベッドだ。
が、しかし私は、そのベッドに寝そべることよりも、もっともっと重要で気になることがあったのであります・・・・。
それは、この部屋の ト☆ イ☆ レ☆!!
意を決してトイレ&お風呂であろう扉を開く!!!
ほほーーん??
で、どれが何用なの?笑
どっちかは不浄の手を洗う用で、どっちかは汲んだ水で体を流す用ですよね・・・・。
多分こっちが体洗う用だけど、全く同じ手桶なのが気になるわ・・・笑。
幸いにも今は寒い時期・・・・・だから今回は!!
パス☆〜(ゝ。∂)
(今、日程調べたら3日お風呂入ってなかったってことですね☆)
ロクシタンの香水やクリームをペタペタ〜っと。
一息ついたので、今後の予定をおさらいすることに。
明日12月31日〜1月2日は、ここチットールガルで過ごし、2日、夜行列車でデリーに向かう予定。
夜行列車のウェイティングリストは出発前は15.6番目になっていたけど、あれから繰り上がっているのか一抹の不安が・・・。明日はネットカフェに行って情報収集しよう。
明日はチットールガル砦とネットカフェ、それから同居人に頼まれたヒマラヤのリップクリームを探さなくては!!
ふと、チットールガル砦がこの部屋の窓から見えるのか気になった・・・が
『今、暗くてよくわからないかもしれないのに見ていいの?明日じっくり拝んだ方が良いのでは?』
と、突然何故か葛藤が始まる笑。
部屋を行ったり来たりしてキョドキョドした結果、おもむろに窓を開けて砦のある方向を見てみる・・・。
うーーん、やっぱりわからない笑
明日のお楽しみだな。
明日のためにも早く寝るべきなのに、ドキドキワクワクして全く眠れなかった。横になれば良いのに、何故かベッドに座ってボーッとしていたら、3時になっていた!
少しでも寝るか・・・と横になったが、5時30分にはぱっちり目が覚めた。
海外旅行中は目覚ましがなくても6時くらいには目が覚める不思議。顔を洗って準備する。
夫も目が覚めたので予定を話す。
チェックアウト後、今日の宿を探しつつ町探索&屋台で腹ごしらえをしに行くことに。
プリントアウトしておいたGoogleマップを片手にホテルを出発。
歩き始めて数メートルで物乞いの子供たちに囲まれる。
足音や声もなく、突然囲まれたことに面食らってびっくりしていたら、歩道でドラム缶焚き火していたおじさんたちが何か声をかけてくれた。
するとスーっといなくなる子供たち。ドラム缶で焚き火・・・「星の王子さまニューヨークへ行く」で観たぞ。
チットールガル砦の方向に向かっていると、1人の少年(10代?)が夫に話しかけてきた。
「ようこそインドへ!」というようなことを言ってくれたので、立ち止まって少し話す。
彼はここの住民ではなく、夜行バスのようなもので移動してきて今朝着いたらしく、そして今夜帰るらしい。友達(彼女?)に会いにきているが、今はまだ朝早すぎて会えないとのこと。
ジャケットを着ていてオシャレボーイさんだった。
彼は突然「積もる話もあるしカフェでお茶しよう!!奢って☆」というようなことを言い始めた。
夫は「奢って」という言葉が出た途端、にこやかな表情のまま「奢るような関係ではないからね。じゃ」と言って歩き始めた。
Oh!Cool!!
全く会話に入れなかったのに堂々とした態度で後ろに素直についていく私。
その後ろに颯爽と追随してくるオシャレボーイ。
インドのみんなのスチールハート、とっても勉強になるし勇気をもらう。
私もスチールハートでにこやかに、華麗にスルーするね?!
オシャレボーイはしばらくついて来ていたが、私たちも全く取り合わず、目の前に現れたインドっぽいホテルに私たちの意識が向いている間に彼はどこかに消えた。
グッバイ☆オシャレボーイ
そのホテルは私がイメージするインドとはこんな感じ!の王道をいく、素敵な外観のホテルだった。
夫フィルターを参照すると高いのかもしれないけど、せっかくの年越しだし今夜はここに泊まりたい!と話す。夫もここまで無事来れたし、大晦日だし、泊まっちゃおう!と言ってくれたので、とりあえず空室があるかどうか聞きに行ってみることに。
ホテル前に路駐してある車たちを移動させているっぽいホテルマンの格好をした青年が、すぐに私たちに気付いて話しかけてくれた。
空いてる!そして美味しいランチビュッフェがあるからぜひ食べてほしいそうな。
11時〜だって!
行きます行きます〜!!!
チェックインは10時以降だったので、ひとまず荷物を置かせてもらい、11時頃帰ってくる旨を伝えて、町探索続行。
バイパスのような通りに出た。屋台のあるような通りはどこなのか検討がつかないが、とりあえずチットールガル砦方向に向かう。
川で沐浴してる〜。
ちょっと危ない配線状態の電柱〜。
目に映るもの全てが興味深く、カメラを片手にゆっくり歩けるなんて・・・なんて贅沢な時間なんでしょう・・思わずニコニコしちゃう笑
大晦日の朝から行動できているお得感に笑いが止まらないっ。
チットールガル砦は高台にあるため、好きに歩いていても方向を間違うことなく向かうことができるし、町自体も割とこじんまりしていて早朝ということもあり、旅行者が歩いているとかなり目立つ。
走っている車から「おはよう!」と声をかけてもらう。
バイクで走っている人はわざわざ停車して手を振ってくれた。
一躍有名人である。
自転車で通りかかった青年が、カメラを持っていることに気づいた私に「撮って!」というので恐る恐る撮る。
撮影料を請求されたらどうしよう・・?とちょっと考えてしまったけど、どうやら一眼レフカメラで撮影して欲しかっただけのようだ。
モニターで自分の写りをしっかり確認したのち、満足そうに出発して行ったので一安心。
それを見ていた他の通行人たちも「撮って〜」と言うので、パシャパシャと撮っていく。
写真家っぽいアテクシ!!
みんなニコニコしているのに写真を撮ってもらう時はビシっとキメ顔なのがまた良い。
私たちを囲んでいた人たちを一通り撮った後、赤ちゃんを抱っこした若い夫婦が声をかけてきた。
みんなと同じように写真を撮ってという素振りをしていたが、うーーん、なにか違う・・?
こっちに来て来て、と空き地の方を指差すので、『いや、行く訳ないだろ٩( ᐛ )و』と日本語で言いながら移動しようとすると、若夫婦、おこプン!
もちろん写真を撮っていないので記録に残っていないけど、だだっ広い空き地の真ん中にマットレスがドンと置いてあった。屋根のような物はなく、本当にドンと置いてあった。
その様子だけが記憶に強く残っている。
屋台のある通りはわからないまま、チットールガル砦へ登っていく道が見えてきた。
歴史のありそうな門があり、いかにもチットールガル砦に続いてそうな感じ。
少し登ってみることにした。砂利の山道とかではなく、きちんと舗装されている道路で、崖側も塀できちんと装飾されている。
特に急な坂道でもないけど少し登っただけで、結構遠くまで眺望を楽しむことができる。
チットールガルは結構青い壁の建物が多い印象だ。
ジョードプルのような真っ青な感じでは無いが、ほんのり青い。
矢を発射できる狭間のような隙間から街並みを覗いてみる。
楽しい〜!!!
塀沿いを歩いていると、1台の車が登ってきた。
インドらしさ漂う定員オーバー気味の車w全員が手を振って来てくれたので、こちらも全力で手を振り返す。
空腹が限界突破していた夫が、屋台を探すミッションに移行したいとのことだったので、ひとまず折り返して、通りを変えて歩いてみることに。
角を曲がった瞬間、歩道と車道の境目がわからないくらい視界が開けた通り&早速1件の屋台が見えたので向かってみる。
屋台はバイクや車の整備場の前に構えていて、何人かが屯していた。
そーっと近づいて様子を見てみる。
パエリアパンのような大鍋に入っているピラフっぽい料理は既に1/3くらいに減っていて、見た目も普通そうな感じ。
手のひらサイズのお弁当などに入れる銀紙が1皿らしい。
とりあえず1皿分買って食べてみることに。
めっちゃくちゃ美味しかった。。。青唐辛子、新鮮で美味しい・・・。
2皿おかわりした。
美味しい美味しいと感動していると、屯していた人たちが話しかけて来てくれた。
「チャイのむ?」とおすすめしてくれたのでお言葉に甘えて1杯いただくことに。
チャイカップは日本酒やワインの試飲カップのような少し大きめなお猪口サイズだった。甘くて激熱。ちびちび飲む。
思えば初チャイ!?
やだ・・・
感動して泣きそう・・・(情緒不安定www)
屯していた人たちは後方のバイク整備場の関係者?だったらしく、整備場の見学をさせてくれることに。
中は綺麗に掃除されていて手入れが行き届いている感じ。
この町の人たちは電動バイクが主な移動手段なので、朝早くからオープンして整備にあたっているらしい。
助かるだろうな。と感心しながら写真をたくさん撮らせてもらった。
そろそろチェックインができる時間になるので、また後ほど食べに来る旨を伝えて、出発。
のどかでいい町だね〜と話しながらホテルへ向かう。田舎町&大晦日だからか観光客は全く見ない。
無事ホテルに到着!
チェックインを済ませて、ビュッフェ会場へ移動。
ビュッフェは約400円/人だった。
美味しい!!
まだまだインドでの相場感がわからない私は安い方だと思っていたけど、夫は「この内容で400円なの〜!?ホテル価格か・・・ち」と思っていたらしい笑。
今日の宿が決まった安心感や、朝からずっと楽しくて胸がいっぱいで、ビュッフェなのにあんまりおかわりできなかった。
と思ったけど、さっき屋台でたくさん食べたし、チャイも2、3杯飲んだら、そりゃ入らないね笑
部屋に荷物を置き、一通り部屋探検後、
満を辞して、いざチットールガル砦へ!!
オートリクシャーで行ってみることに。
チットールガル砦の一番有名な場所までで100ルピー(多分)で行ってもらえるよう交渉し、乗り込む。
帰りは歩きで帰ってみたいので、しっかり道を確認しながら行く。
基本的にはプリントアウトしたGoogleマップ通りの道しかない(細道などはあったとしても迷うようなものでは無い)ので、大丈夫そう。
チットールガル砦の一番有名な場所はヴィクトリータワーと呼ばれる塔周辺らしい。
その辺りで降ろしてもらう。
混雑というほど混んではいないけど、人の流れができている。私たちも流れに沿って歩いてみる。
流れに沿っていても、私たち以外はインド人なので、どうしても目立つ。
ここでもやはりカメラに気付いた人たちに撮影するようお願いされ、写真家のような活動を行う(言われるがままに撮影)
え? これはもう、「私は写真家」と名乗ってもいいのでは・・?
人々の写真を撮りまくる私の横で、夫は、なんと握手を求められていたwww
日本人(というよりインド人以外)が珍しい的な感じかな・・?
こんにちは!平たい顔族です。
夢にまで見たチットールガル砦に、今、立っている!!
当時の大興奮はこの記事を書いている今(2022年2月現在)も、思わず笑いながら思い出すことができる。
興奮しすぎていろんな写真を撮りました。
チットールガル砦に行くきっかけになった写真の構図でチットールガル砦を眺めてみたかったので、それらしきスポットへ移動することに。
もう少し登っていかないと、貯水池が映らないかも?
と、少し移動しては振り返って、振り返っては移動して・・構図の確認をしていると、
登った先の更に奥、人気の無い茂みに若そうな男女がいた。
女性は岩の上に仰向けになっていて、男性が覆いかぶさっているような・・・・??
あ!!!
オシャレボーイっ!!